私は炎で思い出を燃やそう

大切にしていたものを捨てようと決心をし、片づけをしていたら、とあるメッセージカードが出てきた。ああ、そんなものを貰ったことがあったなあと思ったのだが、今の今迄忘れていたのだ。そんな私であるから、当時付き合っていたその人からのそのカードの事などすっかり忘れていた。そして、あれほど愛し合っていたとしても別れてしまうのだなと、自嘲気味に苦笑いをしてしまった。

 

生まれ変わっても寄り添っていたいと、かけがえのない人だと、そう書かれていたカードは今の私の心をズタズタに切り刻む。だが、こんな風になってしまうのも私のせいでもあるのだ。たとえ、私がその人の辛抱強さに甘えて生き方や考え方を変えずにいたせいで私に愛想を尽かしてしまったとしても、それはその人が悪いわけじゃない。私とその人は相容れない人種だったというだけだ、愛していたとしても。愛は全てを超える、なんてことは決してないのだ。愛し合っているのなら乗り越えられるとは限らない。そういうものだろ?

 

だが、私は昔から「永遠」が見たいと思っていたのだ。変わらぬものを追い求め、変わらぬ思いをいつか手にしたいと願い続けてきたのだ。それをその人は叶えてくれると思い込んでしまっていた。それが悲劇だったのだな。そんなものはこの世界には存在しない。恐らく、私は「永遠」を手にすることはないのだろう。もうそんなに時間は残されていないのだから。

 

あなたが「運命の人」であってくれたらよかったのに、と、未練がましく呟く私をあなたは罵ってくれていいよ。私はそれを望んでいる。決して私との思い出を宝箱なんかに押し込めないで欲しい。握り潰して希望を目指して未来へ前進していってくれ。私は心からそれを望んでいる。