秒針は無情に進み続ける

「音楽だけが友達」を読んで。

 

人間関係が充実していたのは確かに一瞬だったと私も思っている。

私も若い頃はそれなりに人付き合いをし、誰かと映画を見に行ったり、食事に行ったり、旅行も行ったり、飲みに行ったこともあるしな。そして、年を取っていくにつれて、一人二人と私のもとから去って行き、勿論、私から去って行ったこともある。そうして現在はまったくといっていいほどに私も独りになってしまった。私の心に溜まったドロドロとした醜悪な物を吐き出して、それを浄化してくれる人、或いは物は、ない。かろうじて、このネット世界の片隅で吐き出されたその汚物を誰かは優しく見守ってくれているだろう。

 

今の私は音楽では癒されない。

 

若い頃はこれこそ癒しだと、私も音楽を聴くことで何とか精神を保っていた。だが、現在はほとんど音楽と触れ合うことはないな。たまにYouTubeで見つけてきた音楽に束の間の癒しを求めるくらいか。

 


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噛めば止まるのだろうか、その秒針は。

勿論、それを望んでいるわけじゃないさ。

進まなきゃ、死ねない。

進まなきゃ、忘れない。

誰に対しても無情に無慈悲に秒針は進んでいく。

そして、私は砂漠に埋もれて果てる未来を望んでいる。

風だけが私を救うことができるのだ。