それが私の慰めとなる

脳は積極的に忘れようとしていると書いている人がいた。確かに一度見たり聞いたりしたものを絶対に忘れられないというのは生きていく上では邪魔なものなのだろう。しかし、少なくとも私はすべての記憶を忘れたくない。そのうえ、永遠に生き続けて、自分だけでなく、すべての人の記憶を見て覚えていきたいと思っているくらいだ。もちろん、それでは人として生きてはいけない。つまり、私は神になりたいのだと言っているのと同じことだからだ。それはただの夢だ。願望だ。叶わぬ渇望だ。それでも私は願う。永遠に生き続けてすべてを見聞きしてすべてを覚えていきたい、と。