叫びにも似た詩を



私には詩は書けない。私の知り合いに想いを詩に込めて綴る人がいた。その人の綴る詩は私の心を抉り言葉を失わせた。だが好きだった。その人の綴る詩が。心から好きで、傷付けられても何時も読みたいと思っていた。詩人のほとんどが嘘ばかり並べ立てる中でその人だけは真実を書いていたからな。いや、別にその人以外の詩人が本当に嘘ばかり書いていたわけではないとは思うが、私にとってはその人以外は全て嘘にしか感じられなかっただけなのだが。


もう一度、その人の綴る詩が読みたい。二度とは読めないその人の詩を。その人の心の叫びでもあった、狂おしいまでの愛の詩を。