詩の世界より死の世界


昨夜は私の好きな詩人の話をしたが、あるブログでこんな言葉を拾った。詩人、中原中也の言葉だそうだ。


「詩の世界より他に どんなものもこの世にあるとは思わない」


もう一度言うが、私は詩を書かない。だが、詩は読む。多くの人と同じで好みの詩しか読まないがな。しかし、詩の世界よりもっと世界には重要なものが沢山あると思っている。読みたくて読みたくて仕方のない詩はあれど、私は詩とは無縁な人間が好きなんだ。詩など書かない人間を見ているのは楽しいよ。つい最近、そんな場所で一時を過ごした。死の匂いのするそんな場所で、私は人々の会話を聞いていた。其処には詩ではなく死が満ちていた。死の世界だ。酷く嫌いで強く惹かれる場所。何年かに一度、私はその場所に行く事がある。だがね、一番死に近い場所であると同時に、其処は一番生にも近い場所なんだよ。


そんな場所で私は一人咳をついて目を閉じていた。人々の声を聞きながら。