時には忘れる事も大事なのだ


「あんたジャージでどこ行くの 忘れてはいけないのかも」を読んで。


人にとって「忘れる」という事は幸せな事なのではないかと私は考える。私も大切な事を忘れる事があるが、忘れたくても忘れられない事も沢山あり、その忘れられない事で眠れなくなる夜もあるのだ。そんな時にLSTY氏のようなドライな性格を羨ましく思う。


 例えば愛情を注ぐ対象や、人間関係の優先度について「いや、まあそうだろうけど、経済的原則から言えばこうこうだよね」というようなことを、平気で言ってしまうことがある。そういうのって、ある種の人にとっては「信じられない思考」らしくて、悪魔を見るような目で見られたりするのだ。


LSTY氏はこう言っているが、逆に執着心を捨てられずに感情論で人間関係を語る人間を嫌悪する者もいるだろう。恐らく、互いにないものねだりをしているだけなのだろうな。氏が、人との思い出を忘れてしまい、無駄な知識ばかりを覚えていることについて「脳味噌の欠陥」「感情に関わる神経が、少しおかしいのかも知れない」と言っているが、おかしいと感じるという事は、それでは駄目なんだと思っているという事に他ならない。だが、私はそれが幸せなんだと思っている。私はそんな人間になりたい。しかし、なりたいと思うのだが、大切な物を無くしてしまうのも嫌な事だなと思う私もいる。そんな矛盾に苛まれて生きていくのが、それが人間というものなのか。よく分からないな。