あちら側が手招きしているのだ

ある漫画をその人が記事に書いていて、どうやらウェブ漫画らしいので検索してさわりだけ眺めた。昔はああいったタッチの漫画は好きではなかったはずだが、今はなぜか惹かれる。第一印象は「暗い」とても明るい健全な内容のものに似合わない絵柄だ。だが、考えてみたら、ホームズや金田一耕助を昔描いていた漫画家の絵柄がとても健全なタイプの絵柄ではないのになぜか好きで読んでいた。つまり、昔からああいったタッチの漫画が好きだったのだと思う。以前、そういった特殊な内容にどうしても惹かれるその心理をこれこれこうでそうなるのだと解説していた作家がいたが、何となく私も自分の過去を思い出して納得したものだ。それをもって自分はこの世にいてはいけない存在なのではないかと思ったこともある。それを誰かが「そんなことはない」と否定してくれたとしても、私はやはり自分は生きていてはいけないのだと思ってしまうのだ。これはもう自分の心の問題だからしかたがない。私もまたきっかけ次第で「あちら側」に踏み込んでしまうこともあるだろう。今はまだいい。引き留めるものがあるからな。だが、いつか、その引き留めるもの以上のきっかけが訪れた時、私はどうなってしまうかわからない。なので、それまでに何とか死することができればと切に願う。