悪魔より残酷なのは

子供の虐待死を痛ましいと書いている人がいた。確かに痛ましいことではあるのだが、ニュースにならない人知れず悲惨な殺され方をしている人々もいることの方が実に痛ましいと私は思う。そちらは殺され方の想像の果てがないからというのもある。以前、とある小説で登場人物が筆舌に尽くしがたいほどの殺され方をしているのを読んで、その作者の描写力に驚異を感じるとともに、しばらくトラウマになったことがあった。だが、それと同じような殺され方をした女子高生の話をネットで見て、これは本当にそうされて殺されたのだろうかと思ったものだった。あまりに悲惨だからニュースでは取り上げられないのかもしれないが、そこに書かれている事が真実なのかどうかは殺した本人と殺された本人しか知らないことである。もしこれが真実ではなかったとしたら、人というのは想像で幾らでも残酷になれるということの証なのかもしれない。まだ悪魔の方がましなのではないか、と。一番残酷なのは神でも悪魔でもなく、人間なのではないか。私はそう思うよ。