あなたの闇を許そう

私は一時期ある人の愚痴メールを毎日のように読んでいた。それは私が相手に「あなたは吐き出さないとそのうちに壊れてしまうよ」と提案したからであり、相手を救いたいという気持ちからそのように促したのだった。そのおかげもあってか、その人は他の人の前では天真爛漫な人という目で見られるようになった。それで良かったか如何かはわからない。他の人にはその人の別の面を見る事はないわけであるから、その付き合いが「本当の付き合い」とは言えないだろうなと後に思ったからだ。だが、結局その人は私だけでは飽き足らず、不特定多数に対しても己の内面の醜い部分を見せるようになっていった。


だが、そんなその人を許せないとなる人も出てくる。その声を聞くたびにその人は他人に絶望していき、私でさえも拒絶しようとまでした。一度は切り捨てられた事もある。私はその人の全てを許せるというのに、それを如何しても信じられぬと。そういえばこんな言葉を見たよ。


「何でも許せるあなたはどうしても許せない者を見下している」


私も誰かにそんなふうに見られているのだろうか。だとしたら、そうなのかもしれない。私は見下しているのかもしれない。許せないという人を。そういった人も居ると認めつつ、私は心で「許せない」という人を見下しているのかもしれない。そう言われても反論出来ぬよ、私はな。


君よ。吐き出して吐き尽くして満足出来たか?
君よ。信じて欲しい。私は死するまで君の味方だと。
誰が君を拒絶しようが、私が居るよ。君には私がな。
それだけは忘れるな。絶対に忘れるなよ。