思い出は君の心に届くか?


忘れ去りたいという過去はいった何だろう。私には忘れ去りたいという過去がないので、忘れ去りたいと嘆く人の気持ちがわからない。そういった忘れ去りたい過去というものは、思い出すと苦しくなるそうだが、私にも思い出せば辛く苦しい過去はある。それは生きている人間であれば誰でもあるはずだ。苦しい、だから忘れたい、か。私にはわからぬ。では、楽しければ忘れたくないとなるのだろうか。だがしかし、世の中は広い、楽しくても忘れ去りたいという者もいるだろうな。

私は苦しかった思い出も悲しかった思い出もすべて忘れたくないと思っているのだ。それは自分だけの思い出だけじゃない。君の思い出も忘れたくない。そして、その価値は誰かが決めることではない。私が決めるよ。私にとって価値があればそれは価値がある。他人が誰一人価値は無いと言ってもな。たとえ君自身が君の思い出を綴ったものに価値を見出していなくても、私は、私だけは君の思い出には価値があると思っている。

君の思い出は君の心に語りかけている。存在してしまった思い出を忘れないでくれと。この思い出も君自身なのだから。どんな思い出であってもな。君自身を形作ってきたものなんだよ。それを忘れるな。