友人とは一体何だ

友人の定義とは何だろう。何時も一緒にいるからだろうか。それとも何事か起きた場合に迷わず手を貸してくれるからだろうか。私にはわからない。勿論、その人その人にとっての定義は違うのだろう。何時も甘やかしてくれるのがそうかもしれないし、厳しく接してくれるのもそうかもしれない。だが、一つ言えるとしたら、それは互いに「好ましい」という感情が有るか否かではないか、と。それが基本であり、その先は互いの決まり事で友人と呼び合うかどうかなのだろうな。それを踏まえて己を顧みる。


相手を「好ましい」と思う事は過去に何度もあった。そして、その人と友人になりたいという欲求も人並みにあった。だがしかし、私が好ましく思う相手は何時も私を好ましく思ってはくれなかった。自分が誰かにとって不快な存在であるという事もあるという事象は受け入れ難いものだ。それでも、そんな私であっても好ましいと言って下さる方もいないではない。とはいえ、だからといってその方を私が好ましく思うかどうかはまた別だ。私の性格が悪いのかもしれないのだが、どうしても相手からの告白で関係が上手くいくことはなく、私は私を好ましく思って下さる方をことごとく好ましく思った事がなかったからだ。


その様な訳で、私には友人はいない。昔から一人もいなかった。私が一人でそう思っていただけで、誰も私のことを友だとは言ってくれた人はいなかった。それはそうだ。こんな私が「あなた」の友人になれるはずがなかったのだ。私なりに努力したつもりだったのだが、その努力をもってしても駄目であるとしたら、私はもう友人をつくることはやめた方がいい。そう思ったよ。そして、私は死ぬまで友がいないという不幸を背負っていく。私はこのまま不幸のまま死んでいくことにするよ。